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錦鯉の病気

寄生虫による代表的な病気

ここで紹介する病気とその対策は、初めて錦鯉を飼育しようとするビギナーでも発見し、対処も市販の薬剤を使って治療しやすい基本的な病気を中心にまとめたもので、手術が必要なものや専門家にゆだねた方がよいと考えられるものなどは、割愛してある。
ただし、そうした専門家、業者にゆだねた方がよいものに関しても魚の泳ぎ方の以上など、日常的な観察で発見可能なので、注意深く錦鯉の日常を見守ることは必須であることを留意し、健康で丈夫な錦鯉の育成を心がけることを薦める。

まず、魚を飼育した経験があれば一度は目にする最もポピュラーなものとして、白点虫の寄生によって引き起こされる白点病をあげないわけにはいかない。発病すると進行が早く、伝染性も高く、最も警戒を要する病気の一つでもある。水温25℃以下で一年中発生し、特に水温が変わりやすい春先や、梅雨時、秋口には発病しやすい。また、移動などで急激に水温や水質が変わると発病する場合が多い。白点病は早期発見が第一で、初期のうちに治療をすると、すぐに白点がとれて健康体に戻る。
初期には、胸鰭、頭部などにケシ粒より小さい白点が生じ、次第に全身に広がっていく。白点は指の腹で触ると砂粒状に感じられる。症状が進むと、寄生部からは多量の粘液が分泌され白濁する。頭部よりも体部、とくに背部に大量に寄生する傾向があり、体表が赤く充血する。魚は体を壁などに擦り付け、症状はますます進み、重症になると表皮が剥離してボロボロになる。
また、体表やエラにたくさんの白点が見られる場合は、例外なくエラにも寄生を受けている。エラにのみ寄生した場合は、食欲不振や酸素を求めて水の循環しているところに近寄る傾向などが見られるが、エラの粘液が多く分泌される以外の肉眼による判断は困難である。エラに寄生すると酸素不足に極端に弱くなり、大形魚でも死亡することがある。
対策としては、白点虫が表皮の下、エラの中側に潜入しているので薬剤での虫の駆除は困難だが、ホルマリン、メチレンブルーなどの消毒薬による薬浴は効果があり、治療の一般的手段となっている。

その他、寄生虫を原因する主な病気として次のようなものがある。

(1) イクチオボド症・キロドネラ症・トリコデナ症

(原因と症状)
原虫類(イクチオボド(コスチア)、キロドネラ、トリコデナ(サイクロキータ))の寄生によって起こり、寄生虫自体は目で確認できないが、体表は白濁し、白い膜で覆われたような白雲症状を呈し、食欲が落ち、注水口や池の隅に群がったり、壁をこすったりと異常行動が伴う。
(対策)
病気発生時にホルマリンによる薬浴と課マンガンさん仮、食塩などの薬剤による駆除は可能。

(2) ツリガネムシ症

(原因と症状)
ツリガネムシが魚のウロコを浸触・付着し、そこが虫の増殖の場となっておこる病気。
米粒大の白点がポツポツできたと思うと、次第に拡大し、患部周囲の皮膚が充血して赤くなる。症状が進行すると、白点部のウロコが部分的に逆立つようになり、欠損、脱落が起き、治癒してもウロコが変形したままになることが多い。さらに、表皮が潰瘍を起こして、池中の汚泥が付着して泥かぶり病(水カビ病)のようになる。
体表を擦り付けるような動作が頻繁に見られ、末期症状に至ると水面近くを浮遊し、食欲が不振となる。
(対策)
決め手となる対策はなさそうだが、ホルマリンやメチレンブルーなどの薬浴、2%食塩水の薬浴などを繰り返し行い、患部からの細菌による二次感染染防止のため抗生物質の使用も考慮する必要がある。

(3) ダクチロギルス症・ギロダクチルス症(イクチオボド症・キロドネラ症・トリコジナ症)

(原因と症状)
ダクチロギルスなどが表皮やエラに固着寄生しておこる魚病。寄生されたエラは上皮の増殖・肥厚・変形がおこり魚は呼吸困難となる。原虫病と同じような白雲症状を呈し、食欲が落ち、注水口や池の隅に群がったり、壁をこすったりと異常行動が伴います。
病害・症状はトリコデイナ・コステイア症と同じで虫の活動により表皮の増殖・粘液の過剰分泌となり、エラは呼吸障害となる。典型的な衰弱魚寄生虫である。
(対策)
ホルマリンの薬浴や水産用マゾテン、過マンガン酸カリの散布。病気の魚だけを別に取りだして過マンガン酸カリや食塩水の薬浴も治療法として効果がある。

(4) イカリムシ症

(原因と症状)
イカリムシが魚の体表、ウロコなど所かまわず寄生することによっておこる。肉眼でもウロコや体表にイカリムシが付いているのを確認できるが、胸ビレを小刻みに動かしたり、背ビレを振るわせたり、体を池壁などにこすりつけたり、飛び跳ねたり通常とは異なる泳ぎし、やがて隅の方でジッとして動かなくなる。
(対策)
水産用マゾテンなど有機リン剤の散布。病気の鯉を取りだして麻酔をかけてからピンセットで虫を取り除いた上で、傷口の消毒、二次感染防止のため抗生物質などの使用でほぼ完全に駆除できる。有機リン剤が効果的なため、以前ほど脅威ではなくなっている。

(5) ウオジラミ症

(原因と症状)
ウオジラミ(チョウとも言う)が吸盤を使い魚の体表各所に吸着し吸血する。またウオジラミは水中を自由に遊泳して、寄生の宿主を。魚体への影響は付着による機械的な皮膚損傷と毒液による損傷があり、毒液注入により付近に強い炎症がおこり出血する。さらに患部が細菌、カビなどの二次感染を起こす危険もある。
(対策)
イカリムシ同様、水産マゾテンなど有機リン剤が効果的で、成虫だけでなく幼虫も駆除できるので、反復使用で完全に駆除できる。